星空の撮影を始めてから,しばらくの間は自作手動簡易赤道儀による手動追尾撮影をやっていましたが,ついに市販の赤道儀というものを買ってしまいました。
買ったのは,ケンコーのスカイメモSという極軸望遠鏡付のポータブル赤道儀です。搭載可能重量が約5kgとなっており,2kg程度までの小型鏡筒を使った追尾撮影も可能なようです。 製品説明についてはググっていただくと,いろいろとわかるかと思いますので,ココでは省略させていただきます。
当初は,以下画像のように,自作ポルタ用機材搭載アダプタを使って,ポルタU経緯台にスカイメモSを搭載しようと考えていました。 これでも,カメラと自由雲台だけを使った撮影なら特に問題は無いのですが,ポルタU経緯台の耐荷重が5kgであることから,鏡筒を使った撮影には耐えられないという思い (スカイメモS本体の重量が約1kg,搭載アダプタの重量が約0.85kgで,あと3kg程度しか余裕が無い...)から, スカイメモSを搭載するための専用微動雲台を自作してみることにしました。
出来上がったものは以下のような感じで,これをポルタU三脚に搭載します。 下板と上板は蝶番で接合しており,垂直方向の角度調整はM8ボルトねじを廻して,下板と上板との角度を調整します。 また,ポルタU三脚に搭載するために,下板の裏側にはM10ボルトナットを埋め込んであります。
ポルタU経緯台は,三脚と架台部をハンドルネジ(左下画像)で取り付け,取り外しができるようになっており,架台部を外すと右下画像のようになっています。 ハンドルネジの規格を調べたところM10ネジであることがわかりました。また画像のように,ハンドルネジを締めるとネジの部分が円形の台よりはみ出るようになっています。
自作微動雲台をポルタU三脚に搭載するには,微動雲台の下板裏に埋め込んであるM10ボルトナットに,三脚のハンドルネジを締めこむようにします。
ポルタU三脚に搭載すると左下画像のようになり,こうすることで,微動雲台の水平方向の方角調整も三脚のハンドルネジで可能ということになります。 自作微動雲台は当初,ハンマーで叩いて遊びを無くした蝶番を使って上板と下板とを接合していましたが,それだけでは完全にガタつきを取り去ることはできませんでした。 そこで,右下画像のように,上板を挟み込むように下板に4つの板材を取り付け,さらに接触する部分に薄いアルミの板を貼り付けるようにしたところ, ほぼガタつくことは無くなりました。
スカイメモSの極軸が天の北極に向くようにセッティングする必要があるわけで,北極星が見えていればスカイメモSの極軸望遠鏡を使って極軸合わせをすればよいのですが, 例によって,ウチのベランダは南東向きで北極星は見えないわけで,その場合は以下の手順でセッティングします。 (1)微動雲台の下板が水平になるようにポルタU三脚を調整し,スカイメモSを搭載した際に極軸が北に向くようにして固定する(左下画像) 北方向を求める方法についてはこちらを参照してください。 (2)当地の緯度に合わせて傾きを調整する(右下画像)
(3)微動雲台の上板にスカイメモSを取り付ける スカイメモSのネジ穴サイズは3/8インチなので,3/8インチボルトネジを締めこんで固定します(左下画像)。 (4)自由雲台を取り付けた付属のショートプレートをスカイメモSのアリミゾに取り付ける(右下画像)
セッティングが完了したら,一眼レフカメラを自由雲台に取り付けて,以下のような感じで撮影します。
今後は,小型の鏡筒を使った追尾撮影もしてみたいので,ドイツ式赤道儀風の構成にしたいとは考えています。 スカイメモS用の微動雲台の他にも,微動台座やバランスウェイトなどもオプション品として売られているようですが,どれも結構なお値段ですので, これらも自作といきたいところですが,さてどうなることでしょうか。。。 「3.セッティング」の手順で自宅ベランダから,お試し撮影をしてみました。 |
冬の大三角 <撮影日,場所> 2016/1/18,自宅ベランダ <撮影方法> カメラ:α37,レンズ:DT 18-55mm F3.5-5.6 SAM, ソフトフィルター:Kenko MC PROソフトン(A) 焦点距離18mm(35mmフィルム換算27mm),F3.5,シャッタースピード121秒,ISO感度800 <他説明> 冬の大三角の広角撮影(18mm)です。点像にはなっているようですが,光害が酷すぎて,どうにもなりません。 二度と自宅ベランダからの広角撮影はやらないと思います。 |
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オリオン座 <撮影日,場所> 2016/1/18,自宅ベランダ <撮影方法> カメラ:α37,レンズ:DT 18-55mm F3.5-5.6 SAM, ソフトフィルター:Kenko MC PROソフトン(A) 焦点距離40mm(35mmフィルム換算60mm),F5.6,シャッタースピード121秒,ISO感度800 <他説明> オリオン座全景の標準撮影(40mm)です。やはりちょっと極軸が合っていないような気が。。。 |
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オリオン三ツ星とオリオン大星雲 <撮影日,場所> 2016/1/18,自宅ベランダ <撮影方法> カメラ:α37,レンズ:100-300mm 焦点距離200mm(35mmフィルム換算300mm),F6.3,シャッタースピード120秒,ISO感度1600 <他説明> オリオン三ツ星とオリオン大星雲付近の望遠撮影(200mm)です。手動追尾撮影よりはマシなんでしょうが,カメラレンズだとこんなもんでしょうか。 |
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